『破滅がその思想を呼び覚ます』
『大切な人が幾度と死なない限り、おまえは誰も救えない』
『そういう運命に立たされている』
『しかし、おまえはおまえの中に横暴な愛の獣を宿し』
『それは日を追う毎に、確実に強欲になっている』
『徐々におまえの精神を蝕む、時の権力者』
『後に此処に留まらず、おまえが大切にするアイツにも手を染めるだろう』
『おまえは、その獣の育成士である』
『気付かない、その無自覚な本能こそが、随一のおまえの才能だというのに』
『狂気を孕んだ笑みの裏側に在る感情』
『全てを悟りきったような、感情のない暗い瞳』
『そういう時のおまえの本心は、誰にも分からない』
『でも私が、そんなおまえを解ってあげる』
『おまえを知ることが、どんな破滅を呼び覚まそうとも』
『私におまえの本心を!今此処で暴かせて!』
『誰かの命を此処に繋ぎ止めようと必死になって』
『そのくせ、いざとなった時に仲間の命は救えない』
『仲間を一人失っただけで、正気が保てないなんて』
『悲しんでいる場合ではない』
『そうしている隙に、悪い虫がアイツの命を狙って』
『また一人、深い傷を負わされて帰って来るから』
『心から血流し、瞳からは涙落ち』
『もう二度と、元には戻れないおまえを想うと胸が痛い』
『驚く程の変貌を遂げた、アイツの姿を見たからではない』
『アイツの心に牙を剝いた獣が、恐ろしく憎かった』
『生きていて初めて、おまえの中に殺意が芽生えた瞬間だった』